【連載コラム】内向型の自分を変えたいあなたへ #10

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自分から声をかけられない、みんなの視線や人前で喋ることができない、こんな悩みをかかえてはいませんか?

この連載ではサイレントセールストレーナーの渡瀬 謙氏の著書「内向型の自分を変えたい」と思ったら読む本」から、そんな悩みを抱えて生きる方へ同じく自らの性格に40年以上、悩んできた渡瀬さんが培ってきた内向型人間の「弱み」を「強み」に変えるまでのお話を抜粋してご紹介します。

#10では人生の大きな転機についてお話しします。
#1はこちらから

第2章 内向型特有の性格は単なる「人との違い」である 3/4

内向型のままでも仕事ができる!①

悪い性格は治さなければならない。私はその考えにずっと支配されてきました。考えというよりも、疑う余地もない常識として心の中に棲みついていたのです。
それが、営業マン時代のあることをきっかけにして、少しだけ変わってきました。
大学を卒業して就職した会社は、精密測定機器のメーカーでした。そこで私は最初に営業職に配属されました。自分としては営業は向いてないしやりたくないと思っていたので、そのうちに工場や内勤に異動できたらいいなと思っていました。でも結局は4年以上営業として勤めることになりました。

その会社を辞めたのは、製品に対するクレームが多かったからです。売れば売るほどクレームが来ました。あとでわかったのですが、欠陥があったとのこと。そのような品物を扱っていたので、営業としてもとても売りにくかったのです。自信を持ってお客さまに勧められない状態が続きました。
ウソをついたりごまかしたりができない性格というのもあって、欠陥のある商品を売ることができなくなり、そのまま会社を辞めました。

「もう営業はこりごりだ。でも自分は本当に営業に向いていないのだろうか?」
人と会うことが多い営業の仕事は、もともと苦手でした。ただ、自分のなかで思い切り営業をやっていない状況だったので、中途半端な気持ちでいたのです。

そこで、友人にこんな相談をしました。
「なんでもいいけど、自信を持って売れる営業の仕事はないかな?」

自分が本当に営業に向いていないのかどうか、それを確かめたいと思ったのです。
それでダメなら別の職業を目指そうと考えました。これは私の唯一とも言える、内向型らしからぬ前向きな行動でした。自分でも驚きましたが、結果としてこの行動が私の未来を変えるきっかけにもなったのです。
そこで紹介されて面接を受けて入ったのがリクルートでした。

ただ、入って早々に私は後悔しました。営業所の中があまりにも騒がしかったからです。まるで高校のときの文化祭の準備をしているように、わいわいと楽しそうに話している人ばかりでした。そうです、この会社は私とは正反対の積極的人間の集まりだったのです。そのことを知っていれば面接は受けなかったでしょう。

明らかに場違いなところに来てしまった私でしたが、それでも気持ちを切り替えました。「自分が営業に向いているかを知るために来たんだ。みんなと仲良くするために来たんじゃない」と、自分に言い聞かせて、仕事に集中するようにしました。
それにしても、みんな元気です。性格も明るいし話もうまいです。そしてバンバン売ってきます。私は圧倒されながらも、なんとか成果を出そうと頑張りました。

ところが、私だけ一向に売れません。
頑張ってはいたのですが、どうしても売れなかったのです。
ただでさえ性格的にまわりの人たちと隔たりがあるのに、仕事もできないとなると、完全に浮いた存在になってしまいました。そしてそのまま6ヶ月が過ぎました。

はっきり言って居づらかったです。
私に気を使ってか、まわりも話しかけてきません。
息苦しさもピークに達していました。

内向型のままでも仕事ができる!

それだけでも驚きだったのですが、帰りに彼から言われた一言が、私の運命を変えるほどの衝撃でした。
「営業なんてベラベラしゃべってもうれないよ。その意味ではお前なんて営業に向いてるんだけどなあ」
「!!!!」
私は言葉が出ませんでした。
それまで私は「営業に向いてない」とは言われてきましたが、「向いている」と言われたのは初めてでした。
それもトップクラスの人が真面目な顔で言うのです。

その日から私は自分の営業を見直しました。
リーダーが見せてくれた営業でなぜ売れたのかはまだわかりませんでしたが、少なくともひとつわかったことがあります。

「営業は明るくなくてもしゃべらなくても売れる」ということです。これまで無理してしゃべったり笑顔を繕ったりしてきたことを止めてみました。すると、お客さまの反応が明らかに変わってきたのです。
そうして、6ヶ月間売れなかった私が、徐々に売れ始めて、その4ヶ月後には全国売上達成率のトップになってしまいました。もちろん単にしゃべらないだけでなく、私なりに試行錯誤しながら出した結果です。

売れる営業マンになれたというのも大きいですが、私にとって最も大きな衝撃は、「内向型の性格のままでも売れた」という事実でした。このことは、それまで疑うことがなかった「内向型だから仕事ができない」という自分の中での常識に、疑問を抱くきっかけとなったのです。

そもそも内向型は治さなければならないのか?

内向型の性格のままでは、人とのコミュニケーションもとれないし、仕事も人並みにできないに違いない。そうなると普通に生きていくことすら危なくなる。だから内向型の性格を治さなければいけないんだ。ずっとそう思い込んでいた自分がいました。
ところが、社会人になってリクルートに転職し、そこでトップ営業になれたことで、そんな思い込みが崩れ始めたのです。

「内向型って本当に悪いことなんだろうか?」「内向型って本当に悪いことなんだろうか?」

これは営業という仕事の特徴にも関係しています。
一般に営業マンというのは、しゃべりが上手くて盛り上げ上手で陽気な性格の人がやる仕事と思われがちです。つまり外向型人間が向いているということです。
私もそう思っていました。
しかし、私はそれらの特徴の正反対の持ち主ですが、それでも売れる営業マンになることができました。
陽気な人だけが向いている職業でもないことを実感したのです。
そのことが、既成の常識に疑問を持つきっかけになりました。

もしかしたら、世間で言われているダメなことのなかには、ダメじゃないものもあるのではないか。もちろん世間の常識というのは、過去の多くの実例に基づいた解釈だというのもわかります。ですから、すべての常識をひっくり返そうとは思いません。
それでも、私は小さな光明が見えた気がしたのです。内向型のままでも通用することがあるのではないかと。ひょっとしたら無理に治さなくてもいいのではないのかと。
少なくとも私は営業の仕事をしているときは、内向型でいられるようになりました。無理してしゃべろうとしませんし、面白い話をして相手を笑わそうなどとも思いません。そんなことをしなくても売れる方法がわかったからです。

そして、もうひとつ、内向型のままでもいいんだと思えるときというのは、とても楽になれるというのも知りました。客先でも無理をしないでいられる自分。人と話をするときにリラックスできるなんて、家族以外では無かったことです。 
もし内向型の性格のままで、何もかもうまくいくとしたら、それは別世界のようなものでしょう。私はその一片を体感することができたのです。

👉 次回(#11)は第2章最後のお話しになります。

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