自分から声をかけられない、みんなの視線や人前で喋ることができない、こんな悩みをかかえてはいませんか?
この連載ではサイレントセールストレーナーの渡瀬 謙氏の著書「内向型の自分を変えたい」と思ったら読む本」から、そんな悩みを抱えて生きる方へ同じく自らの性格に40年以上、悩んできた渡瀬さんが培ってきた内向型人間の「弱み」を「強み」に変えるまでのお話を抜粋してご紹介します。
#6ではものごとのプラスとマイナスの面についてのお話しになります。
#1はこちらから
第1章 そもそも内向型人間特有の悩みって何だろう? 2/3
■ ものごとにはプラスとマイナスの両面がある
人の顔でもそうですが、正面から見るのと、少し斜めから見るとでは、見え方が違ってきます。
それは立体で複雑な形状だからです。
明るい部分と影の部分があるので、見る角度によって別人に見えることもあるでしょう。
性格も人の顔と同じように、立体的で凹凸があり微妙なかたちでできていると思ってください。
そうするといろいろな見方ができるようになります。
たとえば、「口下手」というのは、どうしてもマイナスに見られがちですが、裏を返すと「余計なことをしゃべらない」ので口が堅くて誠実なイメージにもなります。
「人づきあいが苦手」というのも、逆にひとりでコツコツとした作業に向いているとも言えます。
ひとつのことを突き詰めて、誰もまねのできない仕事をやってのけるなど、プラスに作用することもあるのです。
私はよくセミナーなどで、「マイナスだけどプラスの法則」という話をします。
ものごとにはプラスの面があればマイナス面もあり、その両方を持ち合わせることで、他人と違う個性になるのだということです。
- しゃべりがヘタだけど文章はうまい
- 人づきあいが苦手だけどパソコンの知識はプロレベル
- 勉強はできないけど英語はペラペラ
このようにマイナス面とプラス面を合わせることで独自性が際立つのです。
人より多めにマイナス面を持っている内向型ですが、何かひとつでも秀でたものを持つことでそのマイナスがプラスを引き立たせてくれるのです。
「でも、自分にはプラス面などないよ」と思っている人もおそらくいるでしょう。
私もずっとそうでしたからわかります。
なにかと人と比べてしまう性質なうえに、慎重で完璧主義なので、他人よりも圧倒的に秀でていないとそれがプラスだと口に出せないのです。
でも大丈夫です。
ひとつの性格にはマイナス面とプラス面があるということと、マイナス面だと思っている部分でも、使い方によっては大きな武器にもなってくれるということを知っておいてください。

■ コンプレックスの原因を知る
これまでもお話ししてきましたが、私は人生のほぼ半分の時間を「内向型の自分にコンプレックスを抱きながら」生きてきました。
自分の本当の性格を人に見せないようにごまかすことに全力でした。
本当はひとりで静かにしていたいのに、飲み会などに誘われると断れずに参加して、早く帰りたいと願いながら人の話に合わせたりもしていました。
今だから言いますが、楽しいどころか苦痛なことが多かったです。
しかし誘いを断ったりイヤな顔をしたりすると、付き合いが悪くて暗いヤツと思われてしまう(そう信じ込んでいました)。それだけは避けたいという一心で、自分を殺して笑顔を作っていたのです。
とにかく内向型の自分の性格は悪いのだから、直さなければならないし、それを人に知られてしまうとバカにされる。そうなったらもう生きていけない。そう子供の頃から思っていました。
なぜそんな思考になってしまったのか。
それは当時の学校教育も関係していると、今になって思います。
私は小学校の通知表に毎回同じことを書かれていました。
それは「もっと積極的に」です。
先生からそれを言われ続けました。
私としても、積極的になりたいと思いましたし自分なりに頑張ってもみました。
でもできません。
どうしてもできないのです。
すると、先生から言われたことができない自分はダメなヤツなんだと思い込むようになりました。まわりの子たちは普通に話しているのに、自分だけできなくて恥ずかしい。どうしても治らない悪い部分は隠すしかない。そんな思考の流れになっていたのだと想像します。
もちろん、先生は私のために言ってくれているというのは、わかっています。
ただ結果的に私を追いつめて、さらなる内向型に向かわせたというのも事実です。
右に倣えの教育で、他の子と同じようにできるのがベストだと思われていた風潮もありました。
出る杭はたたかれますが、出ない杭も指導の対象になるのです。
私が長年にわたって自分を直視できなかった理由も、そんな背景があったからかもしれません。
