自分から声をかけられない、みんなの視線や人前で喋ることができない、こんな悩みをかかえてはいませんか?
この連載ではサイレントセールストレーナーの渡瀬 謙氏の著書「内向型の自分を変えたい」と思ったら読む本」から、そんな悩みを抱えて生きる方へ同じく自らの性格に40年以上、悩んできた渡瀬さんが培ってきた内向型人間の「弱み」を「強み」に変えるまでのお話を抜粋してご紹介します。
#19では「自然体で生きる」ことをテーマにお話しします。
#1はこちらから
第4章 自分の立ち位置が決まれば何があってもブレなくなる 3/4
■ 柄じゃないことは自信を持ってやらない
苦手なことを克服しようと努力するのは、ひとつの美徳かもしれません。
とくに日本人は頑張ることや努力することが好きです。
逆に言うと、途中であきらめることに罪悪感を持ってしまいがちです。
だからといって、あまりにも克服のために時間がかかりすぎるというのも、考えものです。
それよりも、得意なことを伸ばすために時間を費やすほうが生産的です。
苦手なことは、苦手のままでもいい。柄じゃないことはやらない。
努力しても時間がかかりすぎるのなら、途中であきらめてもいい。そんな思考でいきましょう。
とくに、柄じゃないことを今まで無理してやってきませんでしたか?
・人脈を広げるために、セミナーや交流会に参加していた。
・営業なので、いつも明るく振舞っていた。
・人に誘われると断れないので、無理して遊びに付き合っていた。
内向型は、人に嫌われることを極端に避けたがります。
できるだけまわりの人たちの気分を害さないように振舞います。
そのためには、自分を押し殺すことになっても我慢してしまいます。
その結果、自分の不得意なフィールドで無理なパフォーマンスをするはめになり、返ってカッコ悪い姿をさらすこともよくあるのではないでしょうか。
私が学生のとき、初めてのデートで海に行きました。
当時はなんとなくデートと言えば海という風潮だったので、クルマを借りてドライブしました。
イメージとしては、夏っぽい音楽をかけながら、洒落た会話をしたいと思っていたのですが、実際はろくに会話もできずに、気づまりな空気になってしまいました。
海に着くと、当たり前のように水に入るのですが、泳げないのにカッコつけて沖まで行こうとして、危うく溺れかかってしまいました。
水を飲んだので、気持ちが悪くなり、彼女が作ってきてくれたお弁当もほとんど食べられずに帰りました。
そもそも私にはアクティブなデートプランなど、柄じゃなかったのです。
慣れないことをぶっつけ本番では、うまくいくはずがありませんよね。ちなみに彼女とはそれっきりでした。
もっと自分の得意なフィールドに誘っていれば、違う結果になっていたかもしれません。
会話をしなくてもいい映画館とか、静かに美術館をまわるなど。
自分の土俵で有利に戦うことを優先すべきだったのです。
内向型は、柄でもないことをやっても、うまくいきません。
ストレスばかりかかるうえに、自分の評価も下がります。
「知っている人がいないパーティーには絶対に行かない」
「騒がしい場所には絶対に行かない」
「10人以上のレジャーには絶対に行かない」
このように自信を持って断ることで、危機回避をすると同時に、自分のキャラを表現できます。

■ 柄素のままでできる役を演じる
高校生のとき、私のクラスは文化祭の出し物で映画を撮ることになりました。
一応全員参加だったので、私もちょい役で出ましたが、やはり演技をするというのは、自分には向いてないなと思いました。
恥ずかしくてすぐにNGを出すのです。
その代わりに私は、音響を担当して、裏方に徹していました。
そこが一番居心地のいい場所でした。
実際に撮影をしないまでも、普段の社会生活というのは、多かれ少なかれ演技をしながら過ごしているものです。
とくに内向型の人は、子供の頃から演じることに慣れていることもあるでしょう。
本当の自分を隠して、別の人間としてふるまうことが日常になっている人もいるはずです。
しかも実生活では、カメラは止まりません。
常に撮影状態で緊張が続きます。
そのうえ台本もないので、いつもぶっつけ本番です。
だから疲れてしまうのです。
普通に会社や集団のなかにいるだけで、気疲れしているのは、常に自分じゃない人を演じようとしているからなのです。
でももう、その必要がないということはお分かりですよね。
堂々と内向型キャラを演じればいいのです。
口数が少なくて、顔に表情を出すことなく、いつも静かにしている素の自分を、堂々と自信を持って演じること。
それが一番ストレスのかからない姿です。
他人を演じることよりも、自分が楽な役をとことん追求すること。自然体で個性が沸いてくる。
内向型はそんな生き方も可能なのです。
