【連載コラム】内向型の自分を変えたいあなたへ #23

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自分から声をかけられない、みんなの視線や人前で喋ることができない、こんな悩みをかかえてはいませんか?

この連載ではサイレントセールストレーナーの渡瀬 謙氏の著書「内向型の自分を変えたい」と思ったら読む本」から、そんな悩みを抱えて生きる方へ同じく自らの性格に40年以上、悩んできた渡瀬さんが培ってきた内向型人間の「弱み」を「強み」に変えるまでのお話を抜粋してご紹介します。

#23自分の性格を理解し進んだ先にあることについてのお話しになります。
#1はこちらから

第5章 仕事はストレスを減らすことを重視すればいい 3/5

自分の性格を理解すると、進むべき道が明確になる

私は、自分が集団の苦手な人間だということを知るのに、28年間も使いました。
このとき初めて、自分の内向型の性格の一部を認めることができたのです。
するとすぐに私の中で変化が起きました。

これまでは、いかにして会社組織の中で、最低限のストレスに耐えながら過ごすかということばかりを考えてきました。働くということは、すなわちどこかの会社に入ることだと思っていたのです。
しかし、自分の性格を知ってしまうと、結局はどこに行っても同じで、集団が苦手だということからは逃げられないと思いました。
そこで道が分かれます。
会社勤めをしながら我慢しながらも安定した生活を送るか、それとも、リスクは大きくなるが一人でできる仕事を見つけるか。
つまり、どこかの会社に入るという1つだけだった選択肢が、もうひとつ増えたのです。

「でも自分は独立するなんて、とてもできないよ」

そう思う人も多いでしょう。
当然、私もそうでした。
独立するなんて内向型の自分には無縁のことでしたからね。
でも考えてみたのです。
自分にとってどの道を選ぶべきなのかを。
2つの会社に入ってみて、どちらも過度のストレスを抱えていた私には、この先もずっと同じ思いをする人生はあまりにもつらすぎると思いました。

運がいいことに、私の場合はまわりにひとりで仕事をしている人が大勢いました。
リクルートは広告を作る会社でもあります。
オフィスには、カメラマンやデザイナー、コピーライターなど、独立して仕事をしている人たちが、絶えず出入りしていたのです。
彼らとは取材などで客先に一緒に行くこともあるので、往復の車中などでかなり突っ込んだ話を生で聞くことができました。
どうやって仕事を始めたのか、収入はどれくらいか、不安はないか、など気になっていることは何でも聞きました。
そうすることで、こんな自分でもなんとかできるかもしれないという気持ちに変わっていったのです。

そこで私は一気に「独立」に舵を切りました。
これまで自分を苦しめてきた要因である、集団から逃れて仕事をするためには、この道しかないと思ったからです。一度方向が決まると、意外なくらいに気持ちが晴れて、視界が開けました。
何をやるのが自分に一番向いているか、そのための勉強はどうするか、学校に通うかどうか、そしてどうやって仕事を確保するか。
ここにきて初めて真剣に自分の将来について具体的に考えるようになりました。
思いのほかやる気になっている自分が意外でした。

そうしてコピーライターとして独立することになったのです。

 ただし、これはあくまでも私個人のケースです。
私の場合は、極端に集団が苦手だったので、会社に勤めるという選択を止めざるを得なかっただけです。
やはり世の中は会社単位でできているので、勤めることができるのなら、それに越したことはありません。

集団がそれほど苦手ではない人は、会社を辞めることよりも、会社のなかで自分の立ち位置を固めることに力を注いだほうが断然いいです。
でももし、私と同じように極端に集団が苦手な性格や思考の持ち主なら、ひとりで仕事をする道を検討してみるのもいいでしょう(もしくは少人数の組織でもいいです)。
もちろん、ひとりで仕事をするということは、資金繰りで困ることや、休みが取れないなどのデメリットがたくさん出てきます。
それでも、ひとりでいられることのメリットが大きいと判断するかどうかです。
ちなみに私の場合は、自分の性格に合った仕事を見つけることができて、今は本当に良かったと思っています。
金銭的には苦しい状況にもなりましたけどね。

平常心でできる仕事がうまくいく

本当に自分に合った仕事というのは、自分の性格と向き合って初めて見つかるものだと思います。
どんなに有名な会社に就職できたとしても、そこでの仕事に大きなストレスを抱え続けているとしたら、それは自分に合っていない可能性を考えてみるべきです。
もしそこで成果が出せないのだとしたら、能力がないのではなく、単に性格と合わないだけなのかもしれません。

内向型が仕事を選ぶときには、給与や待遇などのデータだけでなく、仕事の内容や職場環境にも目を向けて、自分の性格とかけ離れていないかをチェックすることをお勧めします。
私が知らずにリクルートに入ってしまったときのような、場違い感だけは避けてください。
あのまま売れない営業で終わっていたら、私の人生も大きく違っていたでしょう。
ただ、会社というのは実際に入社してみないとわからない部分が多いので、最初から決めつけ過ぎるのも良くないですけどね。

私が思うに、内向型の人というのは、意外なところで力を発揮できるタイプです。
自分では絶対ムリと思っていることでも、やってみるとうまくいくこともあったりします。
私は、いま営業を人に教える仕事をしています。
大手銀行のエリートである支店長を対象に研修を行ったり、多いときには1000人以上の前で講演したりすることもあります。
これって、かつての私から見ると、あり得ないことですよね。
そもそもあれほど避けていた営業に関する仕事をしていること自体、不思議なことなのに、人前で話す仕事までしているなんて、自分でもアンビリ―バブルです。

そしてさらに信じられないことを言いましょうか。
これらの仕事をしていて私はストレスを全く感じていないのです。
むしろ楽しいとさえ思っています。本当です。
それでも私は、自他ともに認める内向型なんです。
人に教えているときも、講演をしている最中も、私はいつも内向型のままで行っています。

これは私の持論なのですが、人と接する仕事をするときに、平常心でいられればうまくいくと考えています。
営業などはまさにそうです。
私は売れている営業マンを何人も見てきましたが、彼らに共通しているのは、常に平常心でいることです。
あがり症の私でも、コツさえつかめば人前でも平常心でいられるのです。

内向型は内向型の強みを活かして臨めばいい

ではなぜ私が営業を教えられるまでになったのでしょうか。
ここに内向型の特徴が隠されていました。
そもそも人に会うことさえ苦手なのに、営業の仕事などは正直言って好きではありませんでした。
できればやりたくないと思っていました。
それでもやらなければいけないとなると、こんな思考になってきます。

「できるだけ相手に会わずに売れないかな」
「しゃべるのが苦手だから、黙って説明できないかな」
「できれば相手から買いたいと言ってほしいな」

やりたくないので、効率よく仕事を終わらせたい。
言い方を変えれば楽をすることばかりを考えていたのです。
そのような視点で見ていくと、普段当たり前のように行っている営業の仕事の中には、ムダな部分が多いことに気付き始めます。
たとえば、営業マンは笑顔が大事だとよく言われますが、でもいつもニコニコしている人って逆に怪しいと思いませんか。
それでお客さまを逃がしている人もいるのです。
実際に売れている営業マンを見ると、笑顔を場面によって使い分けていることがわかります。
とくに初対面の相手に笑顔で接しては逆効果なのです。
このように営業の本質を理論的に説明すると、みなさん「なるほどなあ」と興味深く聞いてくれます。

苦手だから工夫する。
できないから思考錯誤する。
そしてどうしてもできなければ別の手段を考える。


この積み重ねがいまの私を作ってくれました。
最初からできる人は、そもそも分析などしませんから、自分がなぜ売れるのかを明確に説明することができません。ここがミソです。

私が最初から簡単に売れていたら、おそらくトップにはなれなかったでしょうし、人に教えることもできなかったでしょう。
もともと苦手な人にしか見えない景色もあるのです。
そしてこれこそが内向型の強みだと思っています。

この考えの延長線上には、自分が苦手だと決めつけていることとしていることこそが、将来的に得意分野になる可能性を秘めているということが言えるでしょう。
まさに今の私がそうであるようにです。
これまで苦手なことはやめようと言ってきたのと矛盾するかもしれませんが、これもひとつの真実です。

内向型に向いているのは、ひとりで黙々と作業をすることです。
会話などしなくても何時間でも平気でいられます。
確かにそうですが、しかし、それだけではないということを知ってほしいのです。
自分の可能性に制限をかけずに、もっと選択肢を増やすこともできるということを。
そして殻を破った先には、ストレスゼロで生きている未知の自分がいるのです。

👉 次回(#24)本当に向いている仕事の見つけ方についてのお話になります。

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